【もう迷わない!栄養ドリンクとエナジードリンクの違いを薬剤師が解説】

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【もう迷わない!栄養ドリンクとエナジードリンクの違いを薬剤師が解説】

「なんだか今日は疲れたな…」

そんな時、コンビニでつい手に取ってしまう栄養ドリンクやエナジードリンク。

でも、棚に並んだたくさんの種類を前に「一体どっちを選べばいいの?」と迷った経験はありませんか?

実は、栄養ドリンクとエナジードリンクには、知られざる決定的な違いがあるんです。

(英訳すると、どちらも「energy drink」ですけどね。)

この記事では、あなたの「今の疲れ」に本当に寄り添う一本を見つけるための秘訣を、どこよりも分かりやすく、愛を込めて解説します!

これを読べば、もうドリンク選びで迷うことはありません。

あなたの毎日を応援する、最高の相棒を見つけましょう!


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【結論】翼が生えるのはどっち?目的が全然ちがうんです!

「どっちも疲れた時に飲むものでしょ?」

ええ、その通りです!

でも、その「疲れ」へのアプローチが、実は全く逆なんです。

まず結論からお伝えしますね。

この違いを知るだけで、あなたのドリンク選びは劇的に変わります!

栄養ドリンクは「体の内側からエネルギーを作るお手伝い」

栄養ドリンクは、まるで「体のエネルギー工場の応援団」です。

疲れが溜まっている時、私たちの体はエネルギーを作るための栄養素(ビタミンなど)が不足しがち。

栄養ドリンクは、その不足した栄養素を補給して、体自身がもう一度しっかりとエネルギーを生み出せるようにサポートしてくれる存在です。

つまり、体力の回復や栄養補給が主な目的なんですね。

じっくりと体の中から元気を育てていくイメージです。

エナジードリンクは「カフェインで脳をシャキッとさせる応援団」

一方、エナジードリンクは、さながら「脳の覚醒スイッチを押す専門家」

主成分であるカフェインの力で、脳の中枢神経を興奮させ、眠気や疲労感を一時的に麻痺させます。

つまり、今あるエネルギーを「前借り」して、一時的にシャキッとさせるのが目的なんです。

「翼をさずける」というキャッチコピーは、まさにこの感覚を表現していますよね。

エネルギーを生み出すのではなく、今ある元気を無理やり引き出すイメージです。

この根本的な目的の違いこそが、栄養ドリンクとエナジードリンクの最大の違いなのです。

衝撃の事実!法律上の“身分”がこんなに違うって知ってた?

「え、飲み物に“身分”なんてあるの?」と驚かれるかもしれませんね。

実は、あるんです!

この法律上の分類を知ると、二つのドリンクが全く別の存在であることが、より深く理解できますよ。

【医薬品/指定医薬部外品】栄養ドリンクは、効果が認められた成分入り

多くの栄養ドリンクは、厚生労働省から「滋養強壮」「肉体疲労時の栄養補給」などの効果・効能が認められた有効成分が、定められた量だけ配合されています。

そのため、法律上は「医薬品」「指定医薬部外品」に分類されます。

医薬品

治療を目的としたもの。より高濃度の成分が含まれ、薬剤師のいる薬局・薬店でのみ購入できます。

(例:「ユンケル黄帝液」など)

指定医薬部外品

予防や衛生を目的としたもの。

効果は医薬品より穏やかで、コンビニやスーパーでも購入できます。

(例:「リポビタンD」「チオビタ・ドリンク」など)

つまり、栄養ドリンクは「効果がありますよ」と国がお墨付きを与えている、頼れる存在なのです。

【清涼飲料水】エナジードリンクは、実はジュースの仲間なんです

一方、エナジードリンクのほとんどは、法律上「清涼飲料水」に分類されます。

これは、炭酸飲料やジュース、コーヒーなどと同じカテゴリーです。

そのため、「疲労回復」や「滋養強壮」といった効果・効能をパッケージに表示することはできません。

あくまでも気分をリフレッシュさせるための嗜好品という位置づけなんですね。

この衝撃的な違いを、分かりやすく表にまとめてみました。

項目栄養ドリンク(多くは指定医薬部外品)エナジードリンク(清涼飲料水)
分類医薬品 or 指定医薬部外品清涼飲料水
目的滋養強壮、肉体疲労時の栄養補給など気分転換、リフレッシュ
効果・効能の表示できる(国が認めている)できない
有効成分タウリン、ビタミンB群、生薬など(有効成分という概念はない)
販売場所薬局、ドラッグストア、コンビニなどコンビニ、スーパー、自動販売機など

(参照:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 – 厚生労働省

どうでしょう?

「同じ棚に並んでいるのに、こんなに身分が違うなんて!」と驚きませんか?

成分表をのぞき見!元気の素はこんなに入っている

では、それぞれのドリンクの「元気の素」となる主役成分たちを、もっと詳しく見ていきましょう!

ここが分かると、ドリンク選びがさらに楽しくなりますよ。

タウリン、ビタミンB群…栄養ドリンクの主役たち

栄養ドリンクのラベルを見ると、必ずと言っていいほど目にするのがこの成分たち。

彼らは「エネルギー工場の優秀な働き者」です。

  • タウリン
    アミノ酸の一種で、肝臓の働きを助けたり、体の様々な機能を正常に保つために欠かせない成分です。
    「タウリン1000mg配合!」などの表示は、このタウリンが豊富に含まれている証拠ですね。
  • ビタミンB群(B1, B2, B6など)
    食事から摂った糖質や脂質を、エネルギーに変えるために必須の潤滑油のような存在です。
    ビタミンB群が不足すると、せっかく食事をしてもエネルギーが作られにくくなり、疲れやすくなってしまいます。
  • 生薬(しょうやく)
    ニンジン、ジオウ、ローヤルゼリーなど、古くから滋養強壮に用いられてきた自然由来の成分。
    体のバランスを整え、根本的な元気を取り戻す手助けをしてくれます。

これらの成分が協力し合って、弱ったあなたのエネルギー工場を活気づけてくます。

カフェイン、アルギニン…エナジードリンクの主役たち

エナジードリンクの成分は、まさに「脳を叩き起こす専門家チーム」です。

  • カフェイン
    ご存知、コーヒーやお茶にも含まれる覚醒作用のある成分。
    脳内で眠気を感じさせる物質「アデノシン」の働きをブロックすることで、「疲れているけど、眠くない!」という状態を一時的に作り出します。
  • アルギニン
    アミノ酸の一種で、体の成長に関わったり、血流を良くする働きがあります。
    パフォーマンス向上を目的として配合されることが多い成分です。
  • 糖分
    脳のエネルギー源となるブドウ糖を素早く補給し、一時的な集中力を高める効果が期待できます。

これらの成分が、あなたの脳に「まだやれるぞ!」という強力なシグナルを送ってくれるわけです。

成分の役割比較栄養ドリンクの主成分エナジードリンクの主成分
役割エネルギー産生の補助、栄養補給中枢神経の興奮、覚醒作用
代表選手タウリン、ビタミンB群、生薬カフェイン、アルギニン、糖分
効き方のイメージ体の中からじっくり回復一時的にシャキッとさせる

【薬剤師が伝授】もう迷わない!あなたにピッタリな1本の選び方

さあ、いよいよ実践編です!

二つのドリンクの違いを理解した今、あなたの「今の状況」に最適な一本を選ぶ方法を、薬剤師の視点から伝授します。

風邪気味、体力の低下を感じるなら「栄養ドリンク」

「なんだか体がだるい…」
「季節の変わり目で体調が優れない」
「夏バテで食欲がない」

こんな時は、体のエネルギー自体が枯渇しているサインです。

カフェインで無理やり体を動かすのではなく、まずは体の中から栄養を満たしてあげることが最優先

そんなあなたには、ビタミンB群が豊富に含まれた栄養ドリンクがおすすめです。

体力の消耗を補い、回復を優しくサポートしてくれます。

風邪のひきはじめには、生薬が配合されたタイプを選ぶのも良いでしょう。

会議前、もうひと頑張りしたいなら「エナジードリンク」

「午後からの大事な会議で眠気に襲われたくない!」
「レポートの提出期限が迫っている…」
「長距離運転で集中力を維持したい」

こんな時は、体力はあるけれど、一時的に脳をシャキッとさせたい場面ですよね。

そんなあなたには、エナジードリンクが頼もしい味方になります。

カフェインの力で、脳を覚醒モードに切り替え、もうひと頑張りするための集中力を引き出してくれます。

ただし、効果が切れた時の反動も考え、頼りすぎないことが大切です。

ラベルの裏側は情報の宝庫!ここだけはチェックして!

ドリンクを選ぶ時、デザインやキャッチコピーだけで選んでいませんか?

ぜひ、ラベルの裏側をチェックする習慣をつけてみてください。

そこには、あなたに合った一本を見つけるためのヒントが満載です!

  1. 「分類」をチェック!
    まずは「指定医薬部外品」か「清涼飲料水」かを確認。
  2. これで、そのドリンクの立ち位置が一目瞭然です。
  3. 「成分表」をチェック!
    「カフェイン」の量を確認しましょう。
    カフェインに弱い方や、夜に飲む場合は特に重要です。
    また、「糖類」の量もチェック。
    糖分の摂りすぎが気になる方は「糖類ゼロ」タイプを選ぶと良いでしょう。
  4. 「用法・用量」をチェック!
    栄養ドリンク(指定医薬部外品)には、「1日1回1本」といった用法・用量が記載されています。
    これは効果が認められているからこその記載。必ず守るようにしましょう。

これだけは守って!元気の前借りには注意が必要

手軽に元気をチャージできる便利なドリンクですが、付き合い方を間違えると、かえって体に負担をかけてしまうことも。

薬剤師として、これだけは知っておいてほしい注意点をお伝えします。

毎日飲むのはアリ?ナシ?薬剤師の答えは…

この質問、薬局でも本当によく聞かれます。

〇 栄養ドリンク
用法・用量を守れば、疲れが続く期間に毎日飲むこと自体は問題ありません。
しかし、それはあくまで対症療法。
「栄養ドリンクを飲まないと元気が出ない」状態が続くなら、食生活の乱れや睡眠不足など、根本的な原因を見直すことが何よりも大切です。

〇 エナジードリンク
毎日の習慣的な飲用はおすすめしません。
カフェインの過剰摂取は、めまい、心拍数の増加、不眠、胃痛などを引き起こす可能性があります。
また、多量の糖分は、肥満や生活習慣病のリスクを高めます。
まさに「元気の前借り」なので、常用すると心身ともに疲れを溜め込んでしまう悪循環に陥ることも。
健康な成人のカフェイン摂取量の目安は、1日あたり400mgまでとされています。
エナジードリンクには1本あたり100mg以上のカフェインが含まれるものも少なくありません。
コーヒーや緑茶など、他の飲み物からのカフェイン摂取量も考えて、上手に付き合っていくことが重要です。
(参照:食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A – 厚生労働省

薬との飲み合わせで、まさかの事態に?

特に注意してほしいのが、お薬との飲み合わせです。

  • 風邪薬や頭痛薬
    これらの薬には、カフェインが含まれていることがあります。
    エナジードリンクと併用すると、カフェインの過剰摂取になる可能性があり危険です。
  • 睡眠薬
    効果を妨げてしまう可能性があります。
  • その他
    処方された薬を飲んでいる方は、自己判断で飲む前に、必ずかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。

「飲み物だから大丈夫だろう」という油断は禁物です。

私たち薬剤師は、あなたの健康を守るためのパートナー。いつでも気軽に声をかけてくださいね。

まとめ 今日からあなたもドリンクマスター!

いかがでしたか?

今までなんとなく選んでいた栄養ドリンクとエナジードリンク。

その違いを知ることで、これからはもっと賢く、自分の体をいたわりながら頼れる存在になるはずです。

最後に、今日のポイントを簡潔におさらいしましょう。

☆ 栄養ドリンクは、「指定医薬部外品」→タウリンやビタミンで体の回復を助けるのが目的。

☆ エナジードリンクは、「清涼飲料水」→カフェインで一時的に脳を覚醒させるのが目的。

その日のあなたの体調や目的に合わせて、最適な一本を選べる「ドリンクマスター」になって、元気で素敵な毎日をお過ごしください!

もし迷ったら、いつでもお近くの薬局で、私たち薬剤師に相談してくださいね。