受験生の集中力UP!親が選ぶ最強の「勝負メシ」

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受験生の集中力UP!親が選ぶ最強の「勝負メシ」

大切なお子さんの受験、気が気じゃないですよね。

「ちゃんと集中できてるかな…」「夜食、何を作ったら喜ぶかな…」そんな風に悩んでいませんか?

大事な試験を控えている社会人のあなたも、同じ状況かもしれません。

実は、その「集中力」、毎日の「食べ物」がものすごく影響しているんです!

勉強や仕事のパフォーマンスは、脳のエネルギー次第。

でも、何をどう食べたらいいのか、迷ってしまいますよね。

薬剤師として、毎日たくさんの方の健康を見てきた私たちが、「本当に集中力アップにつながる食べ物」「逆効果になっちゃうNGな食べ物」を、こッそり伝授します。

この記事を読めば、もう大丈夫!

お子さんの、そしてあなたの「今、この瞬間」のがんばりを、最強の「食」でサポートする方法がわかります。

一緒に、最高の結果をつかみ取りましょう!


関連記事「【薬局が教える!】免疫力をつける食べ物で風邪に負けない体へ」も合わせてご覧ください!


目次

大切な試験前…「ウチの子(私)、集中できてる?」その不安、食べ物で解決!

✓ 「机に向かっている時間は長いのに、なんだか進んでいない気がする…」 

✓ 「最近、ウチの子、イライラしてない?」

✓ 「大事な資格の勉強が、どうにも頭に入ってこない!」

試験前になると、こんな不安や焦りでいっぱいになりますよね。

勉強や仕事で脳をフル回転させるには、それに見合った「燃料」=「食べ物」が必要不可欠なんです。

「えっ、でも、ちゃんと三食食べてるけど…」 そう思われるかもしれません。

でも、問題は「何を」「いつ」「どう食べるか」

この記事では、まず「なぜ食べ物が集中力にそこまで影響するのか?」という、脳と栄養のヒミツから、わかりやすく解き明かしていきます!

なぜ?薬局が教える「食べ物」で集中力が変わる脳のヒミツ

「食べ物で集中力が変わるなんて、大げさな…」と思いますか?

いえいえ、これは精神論ではなく、とても科学的なお話なんです。

日頃から患者さんの体調や薬の効き方を見ていると、栄養状態がいかに心身のパフォーマンスに影響するかを痛感します。

私たちの脳は、体重の約2%ほどの小さな臓器。

それなのに、体全体のエネルギーのなんと約20%も消費する、とんでもない大食漢なんです!(※1)

脳が働くためのエネルギー源は、基本的に「ブドウ糖」だけ

このブドウ糖が足りなくなると、脳はあっという間にガス欠状態になってしまいます。

ぼーっとしたり、イライラしたり、新しいことを記憶できなくなったり…まさに集中力が切れた状態に。

さらに、脳の中では「やる気を出せ!」「落ち着け!」「記憶しろ!」といった指令が、神経伝達物質というメッセンジャーによって常に行き交っています。

例えば、「やる気」のドーパミン、「リラックス」のGABA(ギャバ)、「記憶」のアセチルコリンなど…。

これらのメッセンジャーたちも、元をたどればすべて私たちが食べた「食べ物」(タンパク質やビタミン、ミネラル)から作られているんです。

つまり、

1.脳のガソリン(ブドウ糖)が足りているか?

2.脳のメッセンジャー(神経伝達物質)の材料が足りているか?

この2つが、【集中力】と【食べ物】をつなぐ、とっても大事なカギとなります!

適切な食べ物で脳を満たしてあげれば、脳はご機嫌に、フルパワーで働いてくれるというわけです。

(※1 参考:独立行政法人 農畜産業振興機構「脳の栄養~ブドウ糖(砂糖)とトリプトファンを中心として」※実際の情報に基づきつつ、平易に表現しています)

脳に届け!集中力をググッと高める「勝負食べ物」ベスト5

お待たせしました!

ここからは、脳を最高の状態にする「勝負食べ物」たちをご紹介します。

コンビニなどで手軽に買えるものも多いので、ぜひ今日から取り入れてみてくださいね!

① 【朝のガソリン】脳を目覚めさせる「ブドウ糖」 (バナナ・ごはん)

「朝は時間がないから、朝食は抜き!」

これは、集中力にとって最悪の選択です…!

寝ている間にも脳はエネルギーを使っているため、朝起きた時の脳はガス欠寸前。

そこにガソリン(ブドウ糖)を補給してあげなければ、午前中の勉強や仕事がはかどるはずがありません。

◎ 最強の朝食メニュー:「ごはん(お米)」

パンやシリアルも良いですが、私たちがお勧めしたいのは断然「ごはん」
ごはんはパンに比べてゆっくりと消化・吸収されるため、ブドウ糖が安定して脳に供給され続け、集中力が長持ちしやすいんです。(※2)

◎ 時間がない時の救世主:「バナナ」

バナナはブドウ糖だけでなく、エネルギー変換を助けるビタミンや、イライラを抑えるトリプトファン(後述)も豊富。
まさに「食べるエナジードリンク」です。

◎ 即効性なら:「ラムネ菓子」

「もうダメ、頭が働かない!」という緊急時には、原材料が「ブドウ糖」のラムネ菓子がおすすめ。
素早く脳にエネルギーが届きますよ。

② 【持続力サポート】記憶を支える青魚パワー「DHA・EPA」(サバ缶も◎)

「記憶力が勝負!」

「長時間の勉強を乗り切りたい!」

そんな時に絶対的な味方になるのが、サバ、イワシ、サンマなどの青魚に含まれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」と「EPA(エイコサペンタエン酸)」です。

DHAやEPAは、脳の神経細胞を柔らかくし、情報の伝達をスムーズにしてくれる働きがあります。(※3)

頭の回転を速くし、記憶力や学習能力を高めることが多くの研究で示唆されています。

◎ 最強の時短食材:「サバ缶(水煮)」

「毎日魚を焼くのは大変…」という親御さん!
サバ缶でいいんです!
むしろ、缶詰は骨まで柔らかく栄養満点。
お味噌汁に入れたり、サラダに乗せたりするだけで、手軽にDHA・EPAを摂取できます。

◎ おやつで摂るなら:「くるみ」

くるみにも、DHAに変換されるα-リノレン酸が豊富。
おやつのスナック菓子をくるみやアーモンドなどのナッツに変えるだけで、脳が喜びますよ。(ただしアレルギーには要注意です!)

③ 【やる気スイッチ】冴えた頭を作る「レシチン・チロシン」(卵・大豆・チーズ)

「なんだかやる気が出ない…」

「頭がぼーっとして冴えない…」

それは、脳の「やる気スイッチ」や「記憶スイッチ」を押すメッセンジャーが不足しているサインかもしれません。

◎ 記憶のメッセンジャー「アセチルコリン」の材料:「レシチン」

レシチンは「卵(特に卵黄)」や「大豆製品(納豆、豆腐、豆乳)」に豊富。
レシチンが不足すると、記憶力や集中力の低下につながると言われています。朝食に卵料理や納豆をプラスするだけでOK!

◎ やる気のメッセンジャー「ドーパミン」の材料:「チロシン」

チロシンは「チーズ」や「かつお節」、「たらこ」などに多く含まれます。
脳の覚醒度を高め、「よし、やるぞ!」という前向きな気持ちをサポートしてくれます。

④ 【イライラ撃退】リラックスと集中を生む「GABA・ビタミン」(トマト・豚肉)

試験前は、プレッシャーで誰でもイライラしがち。

でも、イライラは集中力の大敵です!

◎ リラックス物質:「GABA(ギャバ)」

ストレスや興奮を鎮め、リラックス状態に導いてくれるのがGABA。
チョコレートのCMなどで有名ですよね。
「トマト」や「発芽玄米」、「じゃがいも」などに多く含まれています。

◎ 脳の潤滑油:「ビタミンB群」

特にビタミンB群(B1, B6, B12など)は、ブドウ糖をエネルギーに変えたり、神経伝達物質を作ったりするのを助ける「縁の下の力持ち」。
これが無いと、いくら材料(ブドウ糖やタンパク質)があっても脳はうまく働けません。
「豚肉」や「うなぎ」、「玄米」、「レバー」などに豊富です。

【表1:集中力UP!勝負食べ物リスト】

期待できる効果栄養素主な食べ物(手軽な例)
脳の即効エネルギーブドウ糖ごはん、バナナ、ラムネ菓子
記憶力・持続力UPDHA・EPAサバ缶、イワシ、くるみ
やる気・記憶力UPレシチン、チロシン卵、納豆、豆腐、チーズ
イライラ防止・脳活性化GABA、ビタミンB群トマト、豚肉、玄米

(※2, ※3 参考:文部科学省「食品成分データベース」, 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」などの情報に基づき構成)

ゲッ、逆効果!?薬剤師が「待った!」をかけるNG食べ物リスト

ここまで「勝負食べ物」を紹介してきましたが、実はそれ以上に知っておいてほしいのが「集中力を奪うNG食べ物」の存在です。

良かれと思って摂っていたものが、お子さんやあなたの足を引っ張っているかもしれません…!

眠気の犯人!血糖値ジェットコースターにご用心(甘いお菓子・ジュース)

「疲れた時は甘いもの!」と、勉強中にチョコレートやクッキー、甘いジュースをたくさん摂っていませんか?

これは、一時的に元気が出たように感じますが、実は最悪の「集中力キラー」なんです。

1.血糖値が急上昇!
空腹時に砂糖たっぷりのものを食べると、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が急激に跳ね上がります。
 
2.インスリンが大量放出!
急上昇した血糖値を下げようと、体は「インスリン」というホルモンを大量に分泌します。
 
3.血糖値が急降下!
インスリンが効きすぎて、今度は逆に血糖値が下がりすぎてしまいます。

結果…
脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなくなり、強烈な眠気、だるさ、集中力の低下を引き起こします。

これが「血糖値ジェットコースター(血糖値スパイク)」と呼ばれる現象です。

甘いものがダメ、というわけではありません。

食べるなら、食後のデザートとして少量にするなど、血糖値が急上昇しにくいタイミングを選びましょう。

脳の働きがストップ?消化に悪い「脂っこい食事」の罠

「試験に勝つ!」と、ゲン担ぎで「カツ丼」や「唐揚げ」を試験前に食べる…これは、消化の面から見るとあまりお勧めできません。

脂っこい(脂質の多い)食べ物は、消化にものすごく時間がかかります

消化のために胃腸に血液が集中すると、どうなるでしょう?

そう、脳に行くはずだった血液やエネルギーが、すべて「消化」に奪われてしまうんです!

結果、脳は酸欠&エネルギー不足状態になり、眠くなったり、頭がぼーっとしたりしてしまいます。

試験前や試験当日の食事は、できるだけ消化の良い、和食(ごはん、味噌汁、焼き魚、おひたしなど)を中心にするのが、脳のパフォーマンスを維持するコツですよ。

【要注意】「エナジードリンク」との正しい付き合い方、知ってる?

「もうひと頑張り!」と、エナジードリンクに頼る人も多いですよね。

確かに、エナジードリンクに含まれる「カフェイン」には強力な覚醒作用があり、一時的に眠気を吹き飛ばし、集中力を高めてくれます。

しかし、これには大きな落とし穴があります。

👎エネルギーの前借り
カフェインは、脳を無理やり興奮させているだけ。
エネルギーを生み出しているわけではなく、「元気の前借り」をしている状態です。
 
👎効果切れの反動(クラッシュ)
効果が切れた時、前借りした分のツケが一気にやってきて、以前よりも強い疲労感や集中力の低下(クラッシュ)に襲われることがあります。
 
👎依存性と耐性
日常的に飲んでいると、カフェインが無いと集中できなくなったり(依存)、だんだん効きにくくなったり(耐性)して、量が増えてしまう危険性があります。

私たち薬剤師から見ても、カフェインは「薬理作用」のある成分です。(実際に医師から処方されることもあります。)

特に体の小さいお子さんや、カフェインに敏感な方は注意が必要です。

頼るとしても、本当に「ここ一番!」という時だけに限定し、日常的な摂取は控えるのが賢明です。

夜遅くに飲むと睡眠の質を下げ、翌日の集中力に悪影響が出るので、絶対にやめましょう。

薬局がコッソリ教える!集中力を切らさない「食事の黄金ルール」

良い食べ物を選び、NGな食べ物を避ける。

それに加えて、ちょっとした「食べ方のコツ」を知っているだけで、集中力の持続時間は劇的に変わります!

① 「いつ食べる?」試験当日の食事タイミング、正解はコレ!

タイミングこそが勝負を分けます!

  • 試験当日の朝食:「試験開始の2~3時間前」がベスト!
    食事をしてから血糖値が安定し、脳がトップギアに入るまでには時間がかかります。
    消化の時間も考慮し、試験開始の2~3時間前までには朝食を済ませておくのが理想です。(※4)
     
  • 試験当日の昼食:「腹八分目」で「消化の良いもの」を
    午後の試験で眠くならないよう、食べ過ぎは厳禁!
    脂っこいものは避け、おにぎりやうどん、サンドイッチなど、軽めに済ませましょう。
     
  • 休憩時間の補給:「バナナ半分」か「ラムネ数粒」
    長丁場の試験では、合間の休憩でブドウ糖を補給!
    脳のガス欠を防ぎます。
    食べ過ぎは逆効果なので、本当に少しでOKです。

② 「よく噛む」が最強の脳トレだった!

これは今すぐ、お金をかけずにできる最強の集中力UP法です!

「噛む」という行為は、あごの筋肉を動かし、それがポンプとなって脳への血流を爆発的に増やしてくれます。

脳に新鮮な酸素と栄養(ブドウ糖)がどんどん送られるため、頭がスッキリ冴えわたり、記憶力もアップ!

さらに、噛むことで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐ効果もあります。

食事は一口につき30回を目標に、しっかり噛んでみてください。

勉強中に行き詰まったら、シュガーレスの「ガム」を噛むのも、手軽な脳トレとして非常に有効ですよ。

③ 飲み物も重要!集中力をサポートする魔法のドリンク(水・お茶)

「喉が渇いたな」と感じた時点で、体はすでに水分不足(脱水)状態。

「体の水分がたった2%失われるだけで、集中力や記憶力は著しく低下する」というデータもあります。(※5)

脳の約80%は水分です。

脳をみずみずしく保つためにも、こまめな水分補給は絶対に欠かせません。

  • ベストな飲み物:「水」または「麦茶(ノンカフェイン)」
    糖分やカフェインの入っていないものがベスト。
    喉が渇く前に、コップ一杯の水を「こまめに」「少しずつ」飲むのが理想です。
     
  • お茶やコーヒー(カフェイン)との付き合い方
    カフェインはうまく使えば味方になりますが、利尿作用があるため、水分補給にはカウントしにくい面も。
    コーヒーやお茶を飲んだら、それとは別に「水」もしっかり飲むように意識しましょう。

(※4, ※5 参考:農林水産省「めざましごはん」, 国土交通省「『健康のため水を飲もう』推進運動」などの情報に基づき構成)

親御さんも一緒に!家族みんなで乗り切る「食」の応援メッセージ

ここまで、集中力を高める食べ物や食事のルールについて、たくさんお話ししてきました。

受験生を持つ親御さん、「あれもこれも食べさせなきゃ!」と気負いすぎていませんか?

大切なのは、完璧な食事を毎日作ることではありません。

お子さんが試験前でピリピリしている時に、「あれ食べなさい!」「これはダメ!」と食事のことでプレッシャーをかけてしまうのは、逆効果です。

親御さんにできる最高のサポートは、「一緒に食事を楽しむ」こと、そして「安心できる環境」を作ってあげることです。

親御さんが笑顔でいることが、お子さんにとって一番です。

今回ご紹介した「勝負メシ」は、何も受験生や社会人だけのものではありません。

ご家族全員の健康と、イキイキとした毎日のためのヒントです。

ぜひ親御さんご自身の健康のためにも、楽しみながら取り入れてみてくださいね。

まとめ 集中力は「食べ物」でデザインできる!

いかがでしたか?

「集中できない…」という悩みは、気合や根性ではなく、【集中力】と【食べ物】の科学的な関係を知ることで解決できる、ということがお分かりいただけたかと思います。

脳のガソリン「ブドウ糖」を安定供給すること(朝ごはん大事!)

脳のメッセンジャー材料「タンパク質・DHA・ビタミン」をしっかり摂ること

血糖値ジェットコースターや消化に悪い「NG食べ物」を避けること

「噛む」「水分補給」「タイミング」という黄金ルールを守ること

これらを意識するだけで、あなたやお子さんの脳は、驚くほど高いパフォーマンスを発揮してくれるはずです。

私たち調剤薬局は、いつもあなたの町の健康サポーターです。

食べ物で体調を整え、万全の態勢で大切な日を迎えられるよう、心から応援しています!

もし食事や栄養のことで不安なことがあれば、いつでもお近くの薬局で気軽に相談してくださいね。