
夕方になると、朝はスッと入ったはずのサンダルがキツくなる…。
靴下の跡がクッキリと足に残り、なかなか消えない…。
そんな「だる重〜い」足のむくみ、夏になると特にひどくなる、と感じていませんか?
「夏は汗をかくからむくみやすいのかな」
薬局のカウンターでは、夏になると「むくみやすいんです…」という切実なお悩みを本当に多く伺います。
「水分を摂りすぎてるのかも…」
そう思って、良かれと色々な対策をしている人も多いはず。
でも、ちょっと待ってください!
その対策、もしかしたらあなたのむくみをさらに悪化させている“逆効果”なものかもしれません…。
そこで今回は、多くの人がやりがちな“残念なNG習慣”と、私たちプロが本気でおすすめする“本当の対策”を、包み隠さずこっそりお教えします!
この記事を読み終える頃には、あなたは「むくみ博士」になっているはず。
さあ、うっとうしい夏のむくみに、今日でサヨナラしましょう!
ギクッ!夏にむくみやすい人がやりがちな“残念なNG習慣”ワースト3

「え、これもダメなの!?」
そんな声が聞こえてきそうです。
でも大丈夫。今日、ここで知ることができれば、明日から変われます。
まずは、あなたが無意識にやってしまっているかもしれない、残念なNG習慣をチェックしてみましょう。
NG①:「水分を摂るとむくむ」は真っ赤なウソ!正しい水の飲み方クイズ
「むくむのが怖いから、水分はなるべく控えているんです」
薬局で最もよく聞くこの言葉。
お気持ちは痛いほど分かりますが、実はこれ、むくみ改善においては最もやってはいけないNG習慣なんです!
体が水分不足になると、血液はドロドロになり、血流が悪化します。
すると、体は生命を維持するために「これ以上、水分を失ってたまるか!」と、残っている水分を必死に溜め込もうとします。
これが、かえってひどいむくみを引き起こす原因になるのです。
おまけに夏の水分不足は「熱中症」にもなりやすくなります!
むくみを解消する第一歩は、「正しく」水分を摂ること。
あなたの水の飲み方は本当に正しいか、クイズでチェックしてみましょう!
【夏の水分補給力テスト!あなたの飲み方は何点?】
Q1. 飲むタイミングは?
A. 喉がカラカラに渇いてから飲む
B. 喉が渇く前に、こまめに飲む
Q2. どんな温度のものを飲む?
A. キンキンに冷えた氷水が最高!
B. 常温、もしくは少し温かいもの
Q3. 一度に飲む量は?
A. コップ一杯(約200ml)を一気にゴクゴク!
B. 一口ずつ、ゆっくり時間をかけて飲む
《 答えと解説 》
A. 喉が渇いてから飲む(0点) / B. 喉が渇く前に、こまめに飲む(10点)
→喉が渇いたと感じた時点で、体はすでに水分不足の状態です。「渇く前に飲む」を合言葉に、1〜2時間おきに意識的に補給するのが正解!
A. キンキンに冷えた氷水(0点) / B. 常温、もしくは少し温かいもの(10点)
→冷たすぎる飲み物は、胃腸を直撃し、その機能を低下させてしまいます。内臓が冷えると全身の血流も悪化し、むくみの原因に。体に優しい常温が基本です。
A. 一気にゴクゴク(0点) / B. ゆっくり時間をかけて飲む(10点)
→一度に大量の水を飲んでも、体は吸収しきれず、すぐに尿として排出されてしまいます。吸収率を高めるためにも、ゆっくり少しずつ飲むのが効果的です。
あなたの点数はどうでしたか?満点でなかった方も、今日から意識を変えるだけで、体は劇的に変わりますよ!
NG②:体を冷やす食べ物ばかり… 知らないと損する「温活」の重要性
暑い夏は、そうめん、冷やし中華、アイス、かき氷…と、冷たいものが食べたくなりますよね。
ですが、こうした体を冷やす食べ物ばかりを摂っていると、先ほどの水分と同じく、内臓が冷え切ってしまいます。
胃腸の働きが弱まると、水分代謝がうまくいかなくなり、体内に余分な水分が溜まりやすくなります。
さらに、冷えは自律神経の乱れも引き起こし、血行不良を促進。
まさに、むくみのための負のスパイラルに陥ってしまうのです。
夏だからこそ、意識したいのが「温活」。
体を内側から温めることで、巡りの良い、むくみにくい体を作ることができます。
【夏の食べ物、あなたはどっち派?温め軍 vs 冷やし軍】
☀️ 体を温める「温め軍」(積極的に摂りたい!) | ❄️ 体を冷やす「冷やし軍」(ほどほどに…) |
野菜: 生姜、ネギ、にんにく、かぼちゃ、ごぼう | 野菜: きゅうり、トマト、レタス、なす |
果物: りんご、さくらんぼ、ぶどう、桃 | 果物: スイカ、メロン、パイナップル、バナナ |
その他: 発酵食品(味噌、納豆)、鶏肉、羊肉 | その他: 白砂糖、小麦粉、牛乳、コーヒー |
もちろん、「冷やし軍」の食べ物が絶対にダメというわけではありません。
きゅうりやスイカには利尿作用のあるカリウムも豊富です。
大切なのはバランス。
「冷やし軍」を食べたら、次の食事では「温め軍」の食材(例えば、お味噌汁に生姜をプラスするなど)を取り入れる工夫をしてみましょう。
NG③:良かれと信じてた…そのセルフマッサージ、実は巡りを止めてるかも!?
「むくんだ日は、痛いくらいにゴリゴリマッサージするのが気持ちいい!」
これも、実は大きな落とし穴です。
私たちの体には、余分な水分や老廃物を回収してくれる「リンパ管」という繊細な管が張り巡らされています。
力任せにゴリゴリとマッサージすると、この大切なリンパ管を傷つけてしまったり、圧迫して流れを滞らせてしまったりする可能性があるのです。
正しいマッサージの極意は「天使のタッチ」と「心臓に向かう一方通行」です。
- 天使のタッチ
肌の表面を優しくなでるくらいの、ごくごく軽い圧で十分。
リンパは皮膚のすぐ下を流れているので、強い力は必要ありません。 - 心臓に向かう一方通行
足先からふくらはぎ、太ももへ。
手先から腕、脇の下へ。
必ず体の末端から中心(心臓)に向かって、一方通行で流すのがルールです。
オイルやクリームを使って滑りを良くし、「痛気持ちいい」ではなく「ただただ気持ちいい」くらいの優しさで、リンパの流れをサポートしてあげましょう。
薬局がこっそり教えます!夏のむくみ対策“これが本当の正解”

NG習慣がわかったところで、いよいよお待ちかねの「本当の対策」編です。
今日からすぐに実践できる、食事・飲み物・生活習慣のゴールデンルールを、薬局の薬剤師が自信を持って伝授します!
【食べ物編】まずは塩分を追い出そう!カリウム豊富なスター選手たち
むくみの最大の敵の一つが「塩分(ナトリウム)」の摂りすぎです。
体は塩分濃度を一定に保とうとするため、塩分を摂りすぎると、それを薄めるために水分を溜め込んでしまいます。
この憎き塩分を体の外に追い出してくれる、正義の味方が「カリウム」です。
カリウムは、体内の余分なナトリウムと水分を尿として排出するのを助けてくれる、まさに“むくみ撃退ミネラル”なのです。
【むくみ撃退!カリウムスター選手名鑑】
選手名(食材) | アピールポイント(特徴) | 簡単な食べ方アイデア |
アボカド | 「森のバター」の異名を持つカリウムの王様!美肌効果も◎ | スライスしてサラダに。わさび醤油で食べるのも絶品! |
バナナ | 手軽に食べられてエネルギー補給もできる優等生。 | 朝食にヨーグルトと合わせて。スムージーにするのもGOOD。 |
ほうれん草 | カリウムの他、鉄分やビタミンも豊富な緑黄色野菜の代表。 | おひたしや胡麻和えに。お味噌汁の具にもぴったり。 |
きゅうり | 体を冷やす効果もあり、夏のほてった体に嬉しい。 | 塩昆布と和えるだけで立派な一品に。もろきゅうも最高! |
納豆・豆腐 | 日本が誇るスーパーフード。タンパク質も同時に摂れる。 | いつもの食事にプラスワン。キムチを乗せれば発酵食品コンビ! |
海藻類(わかめ、昆布) | 低カロリーでミネラルたっぷり。水溶性食物繊維も豊富。 | お味噌汁やスープ、酢の物に。乾燥わかめは常備必須! |
加工食品や外食は塩分が多くなりがち。
自炊の際は出汁の旨味を活かして減塩を心がけ、これらのスター選手を意識的に食卓に登場させてあげてください。
【飲み物編】何を飲むのが正解?薬剤師おすすめドリンクBEST3
水分補給が大切なのは分かったけど、水やお茶以外に何か良いものはないの?
という声にお応えして、薬剤師が選ぶ「夏の巡り改善ドリンクBEST3」を発表します!
👑 第1位:コーン茶(とうもろこしのひげ茶)
とうもろこしの「ひげ」の部分には、カリウムが豊富に含まれており、優れた利尿作用が期待できます。 香ばしくてほんのり甘く、カフェインゼロなので、時間帯を問わずゴクゴク飲めるのが魅力です。
🥈 第2位:小豆茶(あずき茶)
小豆にもカリウムが豊富。 さらに、ポリフェノールの一種である「サポニン」も含まれており、これもまた利尿作用や血流改善をサポートしてくれます。 小豆の自然な風味にホッと癒される一杯です。
小豆茶については、こちらのサイトで詳しく描かれています!
https://affinitylifeblog.com/red-bean-tea/
🥉 第3位:ルイボスティー
南アフリカ原産の健康茶。カフェインゼロで、ミネラルバランスに優れています。 特に、毛細血管を丈夫にし、血流をスムーズにする働きがあると言われる「ルチン」という成分が含まれている点に注目です。
これらのドリンクを、マイボトルに入れて持ち歩くのも素敵ですね。
【生活習慣編】巡りを爆上げ!私が毎日やってる神ルーティンを全公開
特別なことは何もありません。
でも、続けることで確実に体は変わります。
薬剤師である私が、夏にむくみやすい体をリセットするために実践している「神ルーティン」を、特別に大公開します!
1. 【朝】目覚めの一杯は「白湯」から 寝ている間に失われた水分を補給し、冷えた内臓を優しく温めて活動モードに切り替えます。 2. 【昼】デスクワーク中は「かかと上げ下げ運動」 1時間に1回は立ち上がり、座ったままでも30分に1回は、かかとを上げ下げ。 ふくらはぎの筋肉(第二の心臓)を動かし、足に溜まった血液を心臓に送り返します。 3. 【夜】至福の「ぬるめ入浴+足上げタイム」 38~40℃のぬるめのお湯に15分ほど浸かり、全身の血行を促進。 お風呂上がりには、壁に足をもたせかけて10分間ゴロゴロ。 足に溜まった水分や老廃物がすーっと流れていくのを感じる、至福の時間です。 4. 【いつでも】服装は「締め付けない」が鉄則 スキニージーンズや補正下着など、体を締め付ける衣類は血流やリンパの流れを妨げます。 ゆったりとした服装で、体を解放してあげる日を作りましょう。 |
これって薬に頼っていいの?むくみと上手に付き合うセルフメディケーション術

セルフケアを頑張っても、どうしてもつらい…。
そんな時は、市販薬(OTC医薬品)の力を借りるのも一つの賢い選択です。
特に漢方薬は、むくみの原因に根本からアプローチしてくれる、頼もしい味方です。
CMで見るあの漢方薬、私に合ってる?「五苓散」と「当帰芍薬散」の選び方
むくみに使われる漢方薬として有名なのが「五苓散(ごれいさん)」と「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」。
名前は似ていませんが、どちらを選べばいいか迷いますよね。
漢方では、その人の体質(「証(しょう)」と言います)に合わせて薬を選ぶのがとても重要です。
あなたのむくみは、どちらのキャラクターに近いですか?
【あなたのむくみはどっち?漢方キャラ診断】
診断ポイント | 💧 水の番人【五苓散】タイプ | 🌸 血の女神【当帰芍薬散】タイプ |
キャッチフレーズ | 「余分な水は追い出すぜ!」 | 「巡りを良くして、潤いをチャージよ」 |
体力 | 比較的体力がある(普通~がっちり) | 比較的体力がなく、疲れやすい(虚弱~普通) |
症状の傾向 | 喉が渇いて水をよく飲むのに、尿の出が悪い。水様性の下痢や二日酔いにも。 | 冷え性で、特に手足や腰が冷える。貧血気味で、めまいや立ちくらみも。 |
キーワード | #水太り #喉が渇く #汗っかき #二日酔い | #冷え性 #貧血 #疲れやすい #生理不順 |
漢方的な原因 | 体内の水分バランスが乱れた**「水毒(すいどく)」**の状態 | 血液が不足・滞っている**「血虚(けっきょ)」「瘀血(おけつ)」**の状態 |
漢方的な原因
体内の水分バランスが乱れた「水毒(すいどく)」の状態
血液が不足・滞っている「血虚(けっきょ)」「瘀血(おけつ)」の状態
いかがでしたか?
五苓散は、体内の水分バランスを調整し、余分な水を排出するスペシャリスト。
一方、当帰芍薬散は、血を補いながら巡りを良くし、体を温めることで水分代謝を改善します。
(参照:クラシエ薬品「漢方セラピー」、ツムラ「漢方ビュー」)
もし自分で判断に迷う場合は、ぜひ薬局の薬剤師や登録販売者にご相談ください。
あなたの体質に合った漢方薬を一緒に見つけるお手伝いをします。
サプリメントって気休め?後悔しないためのチェックポイント
「漢方は少しハードルが高いけど、サプリなら…」と考える方も多いでしょう。
むくみ対策のサプリメントには、カリウムや、スイカなどに含まれる「シトルリン」、マメ科の植物由来の「メリロート」などがよく使われます。
これらはあくまで「食品」であり、食事の補助として活用するのは良い選択肢です。
ただし、後悔しないために、以下の点は必ずチェックしてください。
1. 成分含有量を確認する パッケージのイメージだけでなく、裏面の成分表示を見て、主要な成分がどのくらい含まれているか確認しましょう。 2. 不要な添加物が多くないか 成分を固めるためなどに必要なものもありますが、着色料や甘味料など、不要なものが多く含まれていないかチェックする癖をつけましょう。 3. 信頼できるメーカーかGMP認定工場(医薬品レベルの品質管理基準)で製造されているかどうかも、品質を見極める一つの目安になります。 |
まとめ:間違った常識は今日で卒業!正しい対策で夏を快適に過ごしましょう

夏にむくみやすいと感じるのは、あなたのせいではありません。
それは、夏の環境と、知らず知らずのうちに身につけてしまった“残念なNG習慣”が引き起こしていたのかもしれません。
- 水分を控えるのはNG! 正しい飲み方で体を潤しましょう。
- 体を冷やすのはNG! 夏こそ「温活」で巡りを良くしましょう。
- 力任せのマッサージはNG! 天使のタッチで優しく流しましょう。
そして、カリウム豊富な食事や、自分に合った漢方薬・サプリメントを上手に取り入れれば、体は必ず応えてくれます。
この記事でご紹介した「本当の対策」を一つでも二つでも、今日からあなたの生活に取り入れてみてください。
そして、もし不安なことや分からないことがあれば、いつでもあなたの町の薬局を頼ってくださいね。
正しい知識を味方につけて、今年の夏はだる重いむくみから解放され、スッキリ軽やかな毎日を送りましょう!