睡眠90分サイクルは忘れて!あなただけの黄金リズム発見法

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睡眠90分サイクルは忘れて!あなただけの黄金リズム発見法

「夜中に何度も目が覚める…」

「アラームが鳴っても、体が鉛のように重たい…」

そんな朝を迎えていませんか?

もしかしたら、あなたも「睡眠のサイクルは90分だから、その倍数で起きればスッキリする」という話を信じて、一生懸命に睡眠時間を計算している一人かもしれません。

6時間、7時間半…と計算してアラームをセットしたのに、なぜか目覚めは最悪。

そんな経験、誰にでもあるはずです。

でも、その常識、一度忘れてみませんか?

この記事は、あなたを「90分」という数字の呪縛から解き放ち、あなただけの「黄金の睡眠リズム」を見つけるための、冒険への招待状です。

この旅が終わる頃には、あなたはもう時間に縛られることなく、最高の朝を迎えられるようになっているはずです。


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常識を疑え!「睡眠サイクル90分」という呪縛から自由になろう

「スッキリ起きるには、睡眠サイクルに合わせて90分の倍数で!」

テレビや雑誌で何度も耳にしてきたこの言葉。

もはや国民的な常識と言ってもいいかもしれません。

でも、もしこの常識が、あなたを毎朝の不快感に閉じ込めている「呪縛」だとしたら…?

まずは、この常識の正体を一緒に探ってみましょう。

みんなが信じてるけど…そもそも「90分」ってどこから来た話?

この「90分サイクル説」、決してデタラメというわけではありません。

私たちの睡眠には、2つの全く異なる状態があることが科学的にわかっています。

〇 ノンレム睡眠(深い眠り)
脳をしっかり休ませ、成長ホルモンを分泌して体の疲れをとる時間。
この眠りにも深さのレベルがあります。

〇 レム睡眠(浅い眠り)
体は休んでいるのに、脳は活発に活動している時間。
夢を見るのは、主にこのレム睡眠の時です。
記憶の整理や定着が行われる、とても大切な時間だと言われています。

睡眠中は、この「ノンレム睡眠」「レム睡眠」がワンセットになって、一晩に何度も繰り返されます。

このワンセットになった周期のことを「睡眠サイクル(睡眠周期)」と呼び、その平均的な長さが「約90分」なのです。

▼ノンレム睡眠とレム睡眠のちがい

特徴ノンレム睡眠レム睡眠
眠りの深さ深い(脳の眠り)浅い(体の眠り)
脳の活動おだやか(休息中)活発(活動中)
体の状態筋肉は活動できる筋肉は弛緩(金縛りはこれが原因)
ほとんど見ないよく見る
主な役割・脳と体の疲労回復
・成長ホルモンの分泌
・免疫機能の向上
・記憶の整理と定着
・感情の整理
・スキルの学習

この説の根拠は、「眠りの浅いレム睡眠のタイミングで起きると、スッキリと目覚めやすい」という点にあります。

だから、1サイクルが約90分なら、その倍数である4.5時間(3サイクル)、6時間(4サイクル)、7.5時間(5サイクル)で起きれば、ちょうどレム睡眠のタイミングになるだろう、というわけですね。

とってもロジカルに聞こえますよね!

「嘘」というか「人による」が正解!あなたと私は違うのだ

では、なぜ理論通りにやってもスッキリ起きられないことがあるのでしょうか?

答えはシンプルです。

「90分」という数字は、あくまでもたくさんの人のデータを集めた「平均値」にすぎないからです。

考えてみてください。

身長や体重、食べる量が一人ひとり違うように、睡眠のサイクルも驚くほど個人差があります。

ある研究では、成人の睡眠サイクルは70分から110分の範囲で変動することが示されています。

(出典: Carskadon, M. A., & Dement, W. C. (2017). Normal human sleep: an overview. Principles and practice of sleep medicine, 6, 15-24.e2.

つまり、あなたの睡眠サイクルがもし100分だったら?

90分の倍数で計算した7時間半(450分)は、4サイクル半のタイミングになり、最も眠りが深いノンレム睡眠のど真ん中で無理やり起きることになってしまいます。

これでは頭がボーッとして、気分が最悪なのも当然ですよね。

さらに、睡眠サイクルは様々な要因で日々揺れ動いています。

年齢

生まれたばかりの赤ちゃんの睡眠サイクルは約50分と短く、年齢を重ねるごとに長くなります。

そして高齢になると、深いノンレム睡眠が減り、サイクル自体が短くなる傾向があります。(参考: 厚生労働省 e-ヘルスネット「高齢者の睡眠」

体質・遺伝

生まれつき短い睡眠でも平気な「ショートスリーパー」や、長く眠らないと調子が出ない「ロングスリーパー」がいるように、遺伝的な要因も関係しています。

その日のコンディション

日中に激しい運動をした日や、仕事で頭をフル回転させた日は、脳と体を回復させるために深いノンレム睡眠が長くなることがあります。

ストレスや心の状態

悩み事があったり、緊張していたりすると眠りが浅くなり、サイクルが乱れがちになります。

「90分じゃなきゃダメだ!」と数字にこだわりすぎることが、かえって「眠らなきゃ」というプレッシャーになり、睡眠の質を下げてしまうことさえあるのです。

だから、もう一度言います。

「90分サイクル」は、いったん忘れてしまいましょう!

大切なのは、平均値に自分を合わせることではありません。

あなただけの、世界に一つしかない「黄金の睡眠リズム」を見つける冒険に出ることなのです。

ワクワク睡眠探しの旅へ!自分だけの「黄金リズム」を見つける大冒険

さあ、ここからが本番です!

平均値という名の古い地図を捨てて、あなた自身の体というコンパスを頼りに、最高の宝物「黄金の睡眠リズム」を探す旅に出かけましょう。

難しく考える必要はありません。

毎日のちょっとした記録と、自分の感覚に耳を澄ますだけで、道は必ず開けます。

宝の地図をゲット!睡眠日誌で眠りのパターンを可視化してみよう

冒険の第一歩は、自分だけの「宝の地図」を作ること。

それが「睡眠日誌」です。

「え、面倒くさそう…」と思いましたか?

大丈夫!完璧にやる必要はありません。

手帳の隅っこやスマホのメモ機能に、毎朝気づいたことをメモするだけでOK。

最低でも2週間ほど続けると、驚くほどたくさんの発見がありますよ。

この日誌は、あなたの睡眠パターンを「見える化」してくれる魔法のツール

これまで気づかなかった自分の眠りのクセや、睡眠の質に影響を与えている意外な原因が、面白いほど浮かび上がってきます。

▼まずはここから!かんたん睡眠日誌の記録項目

項目記録することメモのヒント
就寝時間ベッドに入ったおおよその時間「23:30頃」
起床時間目が覚めた時間、ベッドから出た時間「アラームは6:30。実際に起きたのは6:45」
睡眠の質(自己評価)起きた時の気分を5段階で評価「★★☆☆☆:かなり眠い、頭が重い」
夜中の目覚め夜中に目が覚めた回数(覚えていれば)「1回トイレに起きた」
「何度も目が覚めた気がする」
日中の眠気日中に眠気を感じた時間帯と強さ「14時頃、会議中に強烈な眠気が…」
特記事項(重要!)寝る前の行動やその日の出来事など「寝る直前までスマホを見てた」
「夜にコーヒーを飲んだ」
「ジムで運動した」
「仕事でストレスがあった」

最初は面倒に感じるかもしれませんが、2~3日もすれば習慣になります。

そして1週間も経つ頃には、「あれ?運動した日の翌朝は、目覚めの評価が★★★★★だ!」「寝る前にスマホをいじると、夜中に目が覚めやすいのかも…」といった、あなただけの「睡眠の法則」が見えてくるはず。

これが、黄金リズムを見つけるための何よりの手がかりになるのです。

体の声を聞いてみて!「あ、今だ!」という最高の目覚めタイミング

睡眠日誌で自分のパターンが見えてきたら、次はもっと面白いステップに進みましょう。

それは、あなたの「体の声」に耳を澄ますことです。

私たちの体は、実は最高の睡眠センサー。

いつ眠るべきか、いつ起きるべきかを、ちゃんとサインで教えてくれています。

眠りのサインに気づこう

「なんだか眠いな…」と感じるのは、体が「そろそろ休息が必要です!」と教えてくれているサイン。

あくびが出る、まぶたが重くなる、集中力が途切れる…。

この自然な眠気の波が来た時にベッドに入るのが、最もスムーズに深い眠りにつけるゴールデンタイムです。

無理に夜更かしせず、体の声に従ってみましょう。

最高の目覚めタイミングを見つけよう

理想的なのは、アラームが鳴る直前に、自然と目が覚めること。

これは、睡眠サイクルがちょうど浅いレム睡眠の段階にあり、体が起きる準備を整えたサインです。

もし、毎朝アラームのけたたましい音に叩き起こされ、心臓がバクバクしているなら、それは眠りが深いタイミングで無理やり脳を起こしている証拠。

もう少し睡眠時間を長くするか、逆に少し短くしてみるなど、睡眠日誌を参考に調整してみましょう。

最新ガジェットを相棒に

最近では、手首につけるだけで睡眠の深さやサイクルを自動で記録してくれるスマートウォッチや、スマホのアプリもたくさんあります。

これらのツールは、自分の感覚だけではわからない睡眠の状態を客観的なデータで示してくれるので、冒険の頼もしい相棒になります。

例えば、「浅い眠り」のタイミングを狙って優しく起こしてくれる機能を使えば、衝撃的にスッキリ起きられる朝を体験できるかもしれません。

ただし、忘れないでください。

データはあくまで参考です。

最終的に信じるべきは、あなた自身の「気持ちいい」「スッキリした」という感覚。

テクノロジーを上手に活用しつつ、あなただけの最高の目覚めタイミングを探求してみてください。

週末の寝だめはNG?休日の過ごし方でリズムを整える秘訣

平日の睡眠不足を解消しようと、週末に「寝だめ」をしていませんか?

「土曜日はお昼までぐっすり…」なんて、最高の贅沢に感じますよね。

しかし、これがせっかく見つけ始めたあなたの黄金リズムを、いとも簡単に狂わせてしまう大きな罠なのです。

この現象は「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」と呼ばれています。

平日の起床時間と休日の起床時間に2時間以上のズレがあると、まるで毎週海外旅行に行って時差ボケになっているような状態に体が陥ってしまうのです。

(出典: Wittmann, M., Dinich, J., Merrow, M., & Roenneberg, T. (2006). Social jetlag: misalignment of biological and social time. Chronobiology international, 23(1-2), 497-509.

ソーシャル・ジェットラグは、日曜の夜に「なぜか寝付けない…」と感じたり、月曜の朝に「体が異常にだるい…」と感じたりする大きな原因になります。

では、どうすればいいのでしょうか?

週末のリズムを整える秘訣は、「ズラしすぎない」ことです。

▼週末のNG・OKな過ごし方


NGな過ごし方 👎OKな過ごし方(黄金リズムを育てる)👍
起床時間お昼近くまで寝ている(平日との差が2時間以上)いつもより寝坊するのは2時間以内にとどめる。
朝の行動カーテンを閉め切ったまま、ゴロゴロ過ごす。起きたらすぐにカーテンを開け、太陽の光をたっぷり浴びる。
これにより体内時計がリセットされる。
昼寝夕方近くに2時間も3時間も寝てしまう。どうしても眠い時は、15時までに20分程度の短い昼寝をする。
夜の過ごし方夜更かしして、平日と同じ生活リズムを崩す。なるべく平日と同じような時間にベッドに入ることを意識する。

週末に少しだけ寝坊する楽しみは残しつつ、体内時計を大きく乱さない工夫をすることで、月曜日の朝を劇的に快適に迎えることができます。

これも、あなただけの黄金リズムを維持するための大切な冒険の一部なのです。

まとめ:見つけた!私だけの快眠サイクル。もう時間に縛られない最高の毎日へ

今回の冒険、いかがでしたか?

「睡眠のサイクルは90分」という誰もが信じていた常識は、あくまで平均値。

大切なのは、その数字に自分を無理やり合わせることではなく、日々の記録と自分の体の声に耳を澄ませ、あなただけの「黄金リズム」を見つけることでした。

・常識を疑い、「90分」の呪縛から自由になること。

睡眠日誌という宝の地図を手に、自分の眠りを「見える化」すること。

体のサインに気づき、最高の目覚めタイミングを探すこと。

週末の過ごし方を工夫して、リズムを維持すること。

これらは全て、時間に縛られず、毎日をエネルギッシュに、そして心から楽しむためのものです。

今日から始められる小さな一歩が、あなたの朝を、そして人生を、きっと輝かせてくれるはずです。

あなたの最高の毎日が、ここから始まりますように!